ケトコナゾールは脱毛症にも有効?

ケトコナゾールは、化学的に合成された抗真菌薬で、真菌の感染の予防と治療を目的として、幅広く医薬品の成分として用いられているものです。
真菌というのは、いわゆるカビのことであって、人体に対する病原性がある種類としては、白癬菌やカンジダなどがよく知られています。
こうした真菌が引き起こす病気としては、水虫、たむし、しらくも、外陰カンジダ症、口腔カンジダ症、皮膚カンジダ症などが挙げられ、これらはいずれもケトコナゾールの軟膏・クリームを患部に塗るなどして治療を行います。
そのほかにも、脂漏性皮膚炎のように、頭皮に皮膚炎ができてフケ、かゆみや脱毛をともなうような病気に対しても、原因となっている真菌の増殖を抑える作用から有効であるとされています。
また、脂漏性皮膚炎による脱毛はかなり一時的なものですが、DHTとよばれる体内物質が原因となるとされている男性型脱毛症(AGA)のような場合についても、このケトコナゾールが有効なのではないかとされており、最近注目を集めています。
DHTというのは、男性ホルモンであるテストステロンを材料にして、これに体内のある種の酵素が作用して、組成が変換されることによってできる物質です。
市販の育毛剤などは、このDHTへの変換にたずさわる酵素を阻害することによって、男性型脱毛症の症状を改善するようにはたらきかけます。
実はケトコナゾールにも、この酵素を阻害するはたらきが研究により確認されているため、日本皮膚科学会の『男性型脱毛症診療ガイドライン』でも、男性型脱毛症治療に用いてもよい成分として掲げられています。
ただし、こうした研究はすべて男性を対象としたものですので、女性の脱毛症に対しても効果があるかどうかはよくわかっていません。